ヨガのインストラクターになるには、どこかの養成スクールの講座を受けたり、ヨガ指導者の教室に通ったりして、ヨガに関する何らかの「認定」をもらうパターンが多いです。認定を得たうえで、どこからのスポーツジムやヨガ専門のスタジオ、カルチャースクールなどでレッスンを受け持ちます。また、公民館や地域の体育館、自分の家で教室を開く人もいます。いずれにしても、ヨガの資格制度はたいへんゆるやかで、資格よりも技量や人気(集客力)がものをいう実力本位の世界といえるでしょう。ヨガの資格について解説します。(2017年9月時点の情報です)


ヨガインストラクターの資格とは

統一された資格はない

ヨガには、統一された資格は存在しません。誰でも、いつでも、ヨガインストラクターになることができます。 ヨガの基本をマスターし、他のだれかに仕事として定期的に教えることができれば、あなたもヨガインストラクターになれます。

資格がなくても上手な先生

ヨガを習う場所といえば、スポーツジムのレッスンやヨガ専門のスタジオ、ヨガ教室などがあるでしょう。こうしたところでヨガを教えている先生は、 ヨガに関する何らかの資格を持っている人もいれば、持っていない人もいます。 必ずしも資格があるから教えるのが上手なわけではないでしょう。 指導がとても上手な先生の中で、とくに資格を持っていない人も大勢います。

ヨガを統括する団体はない

ヨガは数千年にわたって続いている健康法であり、哲学です。 インドで生まれ、その後、世界各地に広まりました。 その過程で、いろいろな流派や種類が生まれましたが、ヨガ全体を統括しているような組織はありません。

「ヨガ」「ヨーガ」「Yoga」の商標

このため、「ヨガ」や「ヨーガ」あるいは「Yoga」という名称は、だれかの商標でもありません。 つまり、ヨガという言葉は一般名詞であり、「ヨガインストラクター」という名称も、どこかの団体が独占的に認めるような形にはできません。 また、鍼灸師や薬剤師などのように国家の規制(認可や免許)を受けるような筋合いのものでもありません。 したがって、ヨガインストラクターを名乗るのは、自由です。 だからといって何をしてもいいとか、質が悪くてもいいというわけではありません。 ヨガの名をけがすような活動をしていると、世間から厳しい目を向けられるでしょう。

個別の流派ごとに資格がある

ヨガには多数の流派や種類があります。 流派によっては、資格制度を設けているところもあります。 そいう場合、流派の資格を持っている人だけが、その流派のインストラクターとして活動できることになります。

養成講座を受けて「認定」をもらう

ヨガの企業や団体が、様々なインストラクター養成講座(養成コース)を行っています。その講座を修了し、試験を受けると、「●●認定」というような一種の資格を得ることができます。それらは、スポーツジムなどのインストラクター採用試験(オーディション)の際に提出する履歴書に記載することで、プラスになる可能性があります。

全米ヨガアライアンスが有名

ヨガインストラクターの養成講座として有名なのは、アメリカの「全米ヨガアライアンス」の講座です。アメリカだけでなく、世界160カ国に展開しています。日本での知名度も、ヨガ関連の資格や養成講座の中ではナンバー1です。

認定スクール「RYS」

全米ヨガアライアンスは、全世界のヨガスクールに対して、統一した教育プログラムを提供しています。全米ヨガアライアンスが認定するスクールのことを、英語で「RYS」(Registrated Yoga School)と呼びます。単に「認定校」と呼ばれることもあります。

認定インストラクター「RYT」

認定校はたくさんあるので、好きなところを選び、養成講座に通います。修了すれば、全米ヨガアライアンスに登録します。そして、ヨガアライアンスの認定インストラクター「RYT」 (Registered Yoga Teacher、「登録されたヨガの先生」という意味)を名乗ることができます。全世界に5万人以上のRYTがいます。

資格の種類

全米ヨガアライアンスの認定資格「RYT」は、いくつか種類があります。一般的な資格は以下の二つです。

  • RYT200・・・一般的なインストラクター
  • RYT500・・・やや上級のインストラクター

200と500は、それぞれ時間を表しています。RYT200は200時間、RYT500は500時間習ったということです。 RYT500のほうが、スクールの授業を300時間長く受けているということを意味します。 これは、分かりやすいといえば、分かりやすいですね。 その一方で、「習った時間の長さで決まるのかよ!」という突っ込みも出てきそうです。 このほかにも、ややニッチな追加資格として、「RPYT(マタニティヨガ)」「RCYT(キッズヨガ)」の資格があります。

プロフィールに「Yoga Alliannce RYT200」

自分のホームページやブログのプロフィール欄には資格「Yoga Alliannce RYT200」などと記載する場合が多いようです。これを見る人が見ると「そうなのか」と思うようです。

RYT200の講座の内容

RYT200の講座は、実技と座学で構成されます。トレーニングと実践技術が100時間と半分を占めます。 さらに、指導技術(25時間)、練習(10時間)、解剖学と生理学(20時間)、哲学(30時間)となっています。

費用(受講料)は数十万

RYT200の費用(受講料)はスクールによって異なりますが、数十万円する場合が多いようです。

職場

ヨガのインストラクターは、職場の選択肢が豊富です。 ヨガは、日本でも最も普及しているフィットネス・プログラムの一つです。 このため、様々な施設が求人を出しており、働く場所があります。

ホットヨガ専用スタジオ

ヨガインストラクターの職場として大きい割合を占めるのが、ホットヨガ専用スタジオです。 日本には、LAVAやカルドなどのホットヨガチェーンがあり、全国に店舗を構えています。 ヨガインストラクターに活躍の機会が提供されています。

スポーツジム

大半スポーツジムでは、毎日のようにヨガのレッスンが行われています。 ヨガ以外のフィットネスの資格を持っていれば、連続して2コマ担当することも可能です。